2030-06-19までに施行予定の改正

改正の要点

石炭鉱業年金基金法の廃止に伴い、所得税法から同基金に固有の取扱いと名称を整理する改正です。一般の退職所得課税や公的年金等控除を広く変更するものではありません。

  • 石炭鉱業年金基金の一時金を退職手当等とみなす所得税法第三十一条第二号を削除します。
  • 削除に伴い、第三十五条・第九十五条・第二百二条の条文参照と号番号を整理します。
  • 公共法人等を掲げる別表第一から石炭鉱業年金基金を削除します。

改正前

  • 石炭鉱業年金基金法に基づく一定の一時金は、所得税法上の退職手当等として扱われます。
  • 公的年金等や国外源泉所得、源泉徴収に関する規定が、第三十一条第二号を参照しています。
  • 石炭鉱業年金基金は、所得税法別表第一の公共法人等として掲載されています。

改正後

  • 石炭鉱業年金基金に固有の一時金規定を削除し、旧第三号を第二号へ繰り上げます。
  • 第三十五条・第九十五条・第二百二条は、削除後の号番号に合わせて参照先を修正します。
  • 別表第一から石炭鉱業年金基金の項を削除します。

改正趣旨

石炭鉱業年金基金法そのものを廃止することに合わせ、同基金を前提としていた所得税法上の特例・参照・法人名を整理するための改正です。所得税の基本的な計算方法を見直す税制改正というより、制度廃止に伴う法令整備に当たります。

実務への影響

  • 影響の中心は、石炭鉱業年金基金に関係する一時金・年金と、その支払・源泉徴収事務です。一般の納税者や一般的な退職金・公的年金の課税関係を一律に変更するものではありません。
  • 旧基金の清算が終わるまで、改正前の一部規定を引き続き有効とする経過措置があります。施行日だけを見て従前の取扱いがすべて直ちに消えるわけではありません。
  • 実際の適用時には、今後公布される施行期日政令と経過措置を再確認する必要があります。

公式資料をもとにした要約です。

根拠資料
改正法令公布日施行に関する注記
社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律
令和七年法律第七十四号
2025-06-20 公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日

変更箇所は取り消し線=削除、下線=追加で示しています。 条文全体を機械的に突き合わせているため、表記の揺れなど本質的でない差分が混ざる場合があります。

第三十一条 (退職手当等とみなす一時金) 改正

二号

石炭鉱業年金基金法(昭和四十二年法律第百三十五号)の規定に基づく一時金で同法第十六条第一項(坑内員に関する給付)又は第十八条第一項(坑外員に関する給付)に規定する坑内員又は坑外員の退職に基因して支払われるものその他同法の規定による社会保険に関する制度に類する制度に基づく一時金で政令で定めるもの
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)の規定に基づいて支給を受ける一時金で同法第二十五条第一項(加入者)に規定する加入者の退職により支払われるもの(同法第三条第一項(確定給付企業年金の実施)に規定する確定給付企業年金に係る規約に基づいて拠出された掛金のうちに当該加入者の負担した金額がある場合には、その一時金の額からその負担した金額を控除した金額に相当する部分に限る。)その他これに類する一時金として政令で定めるもの

三号 削除

確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)の規定に基づいて支給を受ける一時金で同法第二十五条第一項(加入者)に規定する加入者の退職により支払われるもの(同法第三条第一項(確定給付企業年金の実施)に規定する確定給付企業年金に係る規約に基づいて拠出された掛金のうちに当該加入者の負担した金額がある場合には、その一時金の額からその負担した金額を控除した金額に相当する部分に限る。)その他これに類する一時金として政令で定めるもの

第三十五条 (雑所得) 改正

第3項一号

第三十一条第一号及び第二号(退職手当等とみなす一時金)に規定する法律の規定に基づく年金その他同条第一号及び第二号に規定する制度に基づく年金(これに類する給付を含む。第三号において同じ。)で政令で定めるもの
第三十一条第一号(退職手当等とみなす一時金)に規定する法律の規定に基づく年金その他同号に規定する制度に基づく年金(これに類する給付を含む。第三号において同じ。)で政令で定めるもの

第3項三号

確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金(第三十一条第三号に規定する規約に基づいて拠出された掛金のうちにその年金が支給される同法第二十五条第一項(加入者)に規定する加入者(同項に規定する加入者であつた者を含む。)の負担した金額がある場合には、その年金の額からその負担した金額のうちその年金の額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額に相当する部分に限る。)その他これに類する年金として政令で定めるもの
確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金(第三十一条第二号に規定する規約に基づいて拠出された掛金のうちにその年金が支給される同法第二十五条第一項(加入者)に規定する加入者(同項に規定する加入者であつた者を含む。)の負担した金額がある場合には、その年金の額からその負担した金額のうちその年金の額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額に相当する部分に限る。)その他これに類する年金として政令で定めるもの

第九十五条 (外国税額控除) 改正

第4項十号ロ

外国の法令に基づく保険又は共済に関する制度で第三十一条第一号及び第二号(退職手当等とみなす一時金)に規定する法律の規定による社会保険又は共済に関する制度に類するものに基づいて支給される年金(これに類する給付を含む。)
外国の法令に基づく保険又は共済に関する制度で第三十一条第一号(退職手当等とみなす一時金)に規定する法律の規定による社会保険又は共済に関する制度に類するものに基づいて支給される年金(これに類する給付を含む。)

第二百二条 (退職所得とみなされる退職一時金に係る源泉徴収) 改正

本文

第三十一条第三号(退職手当等とみなす一時金)の規定により退職手当等とみなされる一時金の支払をする場合において、同号に規定する規約に基づいて拠出された掛金のうちに同号に規定する加入者の負担した金額があるとき(これに類する場合として政令で定める場合を含む。)は、前条の規定の適用については、その退職一時金の額からその負担した金額(政令で定めるものを含む。)を控除した金額に相当する退職手当等の支払があつたものとみなす。
第三十一条第二号(退職手当等とみなす一時金)の規定により退職手当等とみなされる一時金の支払をする場合において、同号に規定する規約に基づいて拠出された掛金のうちに同号に規定する加入者の負担した金額があるとき(これに類する場合として政令で定める場合を含む。)は、前条の規定の適用については、その退職一時金の額からその負担した金額(政令で定めるものを含む。)を控除した金額に相当する退職手当等の支払があつたものとみなす。